乳腺炎~育児疲れと気滞~

乳腺炎は激痛といわれます。

赤ちゃんが哺乳瓶のミルクを飲まない子だと、

お母さんはやむを得ずその激痛に耐えながら授乳をすることに。

もちろん痛み止め・抗炎症剤の類はNGでしょう。

子を持つ母は強しですが、授乳が苦痛ではあんまりです。


そのような乳腺炎のご相談を受けての訪問出張。

お薬を使いたくない状況では、ワラをも掴む気持ちで

鍼灸に期待をしていただけたのかも知れません。


お宅に伺えば、上の子もまだ小さくて、

家事・育児全てを一人でこなす、

まだ若い二児のママが待っておられました。



東洋医学では、乳腺炎の原因を

「母体に生じた強い気の滞り」と考えます。


逃げ場のない(代わりのいない)精神的な疲労。

365日24時間オフのない(熟睡できない)肉体的な疲労。

産後に現れやすい、その方の体質・気質などの先天的な素因。

乳幼児を二人も育児していたら、気の滞りが起こらない方が不思議なくらいです。



東洋的な考え方に基づいた鍼灸では、

乳房の炎症に対して鍼をするのではなく、

全身(心)の調整により、

母親の気の滞りや上逆(のぼせ・イライラ)を動かすことで

乳腺炎の改善や再発の予防を目指していきます。


今回は、母親の気の滞りや上逆が強いようでしたので、

補助的に胸骨や肩甲骨にあるツボも使いました。


授乳は休むことなく、毎日何度も繰り返されます。

「一日でも早く」「できたら今日で楽になっていただきたい」

施術中、ずっとそのような気持ちがありました。




母乳とは本来、母親の血液を濾して作られる尊いものです。

また授乳時には、乳首への刺激により、

穏やかな気持ちになるホルモン、オキシトシンが分泌されます。

このホルモンは子宮収縮の働きもありますので、

産後の子宮のケアにはとても大切なものです。


母親が苦痛やストレスに耐えながらの授乳は

「おっぱいの味が苦いんじゃないかい?」と赤ちゃんに聞きたくなります。


ブログ文章 橋本昌周

2019年06月25日