不登校・引きこもりの改善~思春期の自律神経失調~

鍼灸院では、お子さんの不登校・引きこもりのご相談をいただく事があります。

小学校高学年~中学生の女の子のご相談が多い傾向にあります。

「鍼灸で、子供の気持ちを落ち着かせたり、意欲を出させることは可能でしょうか?」


お子さんの原因不明の不登校・引きこもり。ご家族は気が気ではありません。

「そのうち治るものだろうか?」 

「この子の一生を台無しにしてしまうものだろうか?」

「甘えすぎ、だらしない、わがまま」とお子さんを厳しく責めてしまう方もおられます。


カウンセリングでお話を伺うと、

「塾や習い事など学校以外でも頑張り屋でしたが、急に糸が切れたようにルーズに・・・」

「これといった大きな原因も思いつきません。」

「夜更かしして朝起きられずの毎日、午前中はまったく活力がありません。」

「だるさや体調の悪さ、吐き気や頭痛を繰り返し訴えます。」

など、原因不明の心身の不調に悩まれているケースが多くみられます。


思春期の女子の不登校や引きこもりの場合、

学校や部活・周囲の人間関係や環境の変化などにこれといった原因がない場合(あったとしても)、思春期特有の自律神経失調症「起立性調節障害」が原因になっている可能性があります。


【概念】

・思春期前後の小学校高学年~高校生(10歳~18歳ぐらいまで)に発症しやすい自律神経失調症です。

・小中高を通じて女児に多い傾向があります。


【症状】

・強い立ち眩み(目の前が真っ暗になるような)、めまい、立っていると気持ち悪くなり倒れたり。

・息切れ、頭痛、腹痛、全身倦怠、食欲不振、不特定の部分に痛みを訴えます。

・入浴時に気持ち悪くなります。乗り物酔いしやすくなります。

・少し動いただけで動悸や息切れがします。

・夜の寝つきが悪くなり朝起きられません。、午前中は体調がすぐれません。

・「学校に行きたくない」と訴えます *引きこもりや不登校の主要因に


【これらの病気の場合には当てはまりません】

・貧血、結核、甲状腺の疾患、慢性肝炎、慢性腎炎


【病態】

・中枢神経において、自律神経(交感神経と副交感神経)の異常亢進が同時に起こります。

*集中すべき時に集中しきれず、休む時にも心身が休養できません。
*自分の努力・頑張りではどうしようもなく、大変辛く苦しいものです。


【好発】

・過敏性の体質・異常体質の子に多いとされます。精神面の影響も大きいと考えられます。

・冬季には症状は穏やかになり、春季前後から増悪します。毎年春先に再発しやすい傾向があります。


【原因】

・急な身長の伸び、月経の始まりなど、身体の変化に上手に対応できない状態。

・過食や拒食、ダイエット、夜更かし癖など、精神的な成長による心身のアンバランス。


【鍼灸によるアプローチ】

思春期の心身のアンバランスは誰にでも起こるものです。決して病気ではありません。

ですが、身体の変化や精神の成長に上手に対応できない背景には、先天的な気質・体質などの素因、 また、その子の中に蓄積された疲労・冷え・ストレスによる慢性的な緊張状態、自律神経系やホルモンバランスの失調などが考えらえます。

当院では、「心と体は一体である」という東洋的な考え方に基づき、全身(心)の調整により、自律神経系やホルモンバランスの乱れを整え、起立性調節障害にアプローチしていくことで、不登校・引きこもりの改善を目指していきます。


その子の中の問題をどのように解決するのか・・・

それには自律神経のケアだけでは不十分で、多感な時期のお子さんのメンタル・サポートも必要になるでしょう。

思春期には、「こうであるべきだ」という生活の規範や親の価値観を押し付け過ぎず、少し距離を置きながらの見守りも必要であるように思います。

大人になれば、皆忘れてしまいます。「そんなことぐらいで・・・」と大人は思います。

でも思春期の子供には、思春期にしか存在しない価値観、何か「心身の為替レート」のようなものがあるように思えるのです。

2019年06月17日